口腔の健康の維持・増進、QOL(クオリティー オブ ライフ)の向上に不可欠な考え方が予防歯科です。
歯周病は、歯や歯ぐきについた歯垢により、歯ぐきや歯を支える骨に炎症が起こり、それらの組織が壊される病気です。この病気を放っておくと、歯は抜けてしまいます。
歯周病の予防・治療には、歯垢と歯石の除去が欠かせません。
歯垢は、毎日のブラッシングでの除去が可能ですが、 歯石は、ブラッシングのみでは除去できません。歯科医院にてスケーラーとよばれる専用の器具で除去します。
歯の表面に付着したタバコのヤニや茶しぶなどのために、歯の表面が変色してしまっているような場合には、歯科衛生士による専門的な技術と器具を用いたクリーニングが必要です。
このような歯面清掃作業をPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)といい、歯の汚れを取ることで白く滑沢になり、むし歯や歯周病の予防になります。
むし歯の主な原因菌は、バイオフィルムを歯面につくり、飲み薬や塗り薬が直接効かない環境を作り出します。
3DS(デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)では、PMTCを行って完全にバイオフィルムを除去した後、患者様の歯並びに合わせてオーダーメイドで作製したトレーに抗菌剤やフッ 素を入れて口の中に装着し、一定時間歯面に塗布します。
この方法は、薬が唾液で薄まることなく、安全かつ確実に抗菌剤やフッ化物などの薬を歯に塗布することができ、これからのむし歯予防治療として期待されています。
0.4%フッ化第一スズ、0.2%フッ化ナトリウム、2%フッ化ナトリウムなどの薬を用い、歯の表面にフッ素イオンを作用させ,歯質を強化するむし歯予防の方法です。
永久歯の萌出時期を通じて、継続して実施することにより、エナメル質表層のフッ素量を増加させ、歯質を強化します。
またフッ素はプラーク中の細菌がつくる酸を抑えます。
奥歯の咬む面には深い溝があります。
食べ物がつまりやすく、溝の深い部分を磨き残してしまうことがあるので、この部分からむし歯になるケースがよくみられます。
そこで、むし歯になる前に歯の溝をフッ素を放出する材料でうめてしまいます。これにより、溝の奥に食べ物が残らず、ブラッシングもしやすくなるので、むし歯予防に有効です。
このような処置をシーラントといいます。